高さ7〜10m,直径8〜12cmほどの落葉高木。

関東南部以西の本州,四国,九州,沖縄の山野に生えています。本州のものはロウを採集するために栽培されていたものが野生化したという説もあります。広島県では,島嶼部から沿岸部に分布しているようです。

葉は互生。長さ20〜30cmの奇数羽状複葉で,小葉は4〜8対。小葉は長さ5〜12cm,幅1.8〜4cmの広披針形〜狭長楕円形で全縁,先端は長くとがります。両面とも無毛で裏面は粉白色。

よく似た3種の中では,最も小葉の幅が狭く,毛がない(他2種には毛があります)ため若葉では光沢があります。秋にはこれが鮮やかに赤くなって,とても美しいです。

雌雄異株で,5〜6月に黄緑色の小さな花を円錐状に多数つけます。
果実は核果。直径9〜13mmの扁球形で9〜10月に淡褐色に熟します。表面は光沢があり,無毛。

写真は上2012/06/03彦山
中・下2011/11/03枠田
 
高さ5〜8m,直径10cmほどの落葉小高木。

本州,四国,九州の山地に生えています。
広島県では,吉備高原面に主として分布し,沿岸部には少ないようです。

葉は互生。長さ20〜40cmの奇数羽状複葉で,小葉は4〜6対。小葉は長さ4〜13cm,幅2〜5cmの卵状長楕円形で全縁,先はやや長くとがります。両面とも毛が散生し,脈上にはやや密生します。

ヤマウルシより小葉の幅が狭く細い印象です。

秋になるとこの葉がとても美しく紅葉します。グリーンラインでは道に沿って生えていますので,秋にはとても美しいです。

雌雄異株で,5〜6月に黄緑色の小さな花を円錐状に多数つけます。
果実は核果。直径7〜8mmの扁球形で9〜10月に黄褐色に熟します。表面は無毛で平滑です。

よく似たヤマウルシの実には刺毛があってこの違いで確実に見分けることができます。

写真上2012/05/20彦山
中2012/05/05枠田
下2010/11/27彦山

 

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瀬戸町内には,いわゆる「かぶれの木」と呼ばれるウルシ科の樹木が3種生えています。いずれも葉や茎に触れると赤くはれてかゆくなる厄介な樹木です。そして町内の山にはどこにも生えていて,姿かたちが互いによく似ていているので1つのページにまとめておきます。なお,同じ科のヌルデも似ていますが,かぶれることはないので,別のページに載せています。

ハ ゼ ノ キ   

ウルシ科
ウルシ科

ヤ マ ハ ゼ

ヤマウルシ

高さ3〜8m,直径5cmほどの落葉低木。
北海道,本州,四国,九州の山地や丘陵に生えています。
広島県では,島嶼部から中国山地まで広く分布しています。

葉は互生。長さ20〜40cmの奇数羽状複葉で,小葉は4〜8対。小葉は長さ4〜8cm,幅3〜6cmの卵形または楕円形で先は急にとがります。表面には毛が散生し,裏面の脈状には軟毛が密生しています。

雌雄異株で,5〜6月に黄緑色の小さな花を円錐状に多数つけます。
果実は核果。直径5〜6mmの扁球形で9〜10月に黄褐色に熟します。この果実の表面に毛が密生しているのが,特徴です。

漆(うるし)塗りに使う樹液をとるウルシは別種で栽培されるものですが,瀬戸町内には無いようです。本種よりも小葉が一回り大きく,実に毛は生えません。

本種の紅葉もきれいです。

写真上2012/05/12彦山
中2012/05/05枠田
下2011/08/19彦山

 
ウルシ科

かぶれの木3種