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ナンバンギセル                             

ハマウツボ科
 直立して高さ15〜20cmになる寄生植物。
ススキ、ミョウガ、サトウキビなどに寄生して栄養を奪う1年生植物です。種から発芽しても、夏まではこれらの植物の根に入り込み、地上には姿を現しません。秋の,花の時期にだけ地上に姿を現します。
珍しい植物だと思うのですが、万葉集の中に思草(おもいぐさ)という名前で出てきます。

「道の辺の 尾花が下の 思草(おもいぐさ) 今さらになど ものか思はむ」(作者不詳)

内容は「ずっとあなたのことを思ってきました。でも,わたしの心は通じません。ススキの陰にひっそりと咲いて散る思草と同じです。あなたのことはもう忘れます(吉野正美 万葉集の植物 1988 偕成社より)」という感じらしいです。せつない心を歌っています。

昔の人は私たちよりずっと,自然を見つめる目と想像力を持っていたのでしょうね。

P戸町では、最初(2011年),志田原の池の脇の山道の笹が刈り払われた後に1本だけ生え出ているのを見つけましたのですが,今回その池の土手に群生しているススキの根元にまとまって咲いている花を発見しました。株もたくさんあって,増えている感じでした。今後は毎年咲いてほしいと思うのですが・・・。

花期7〜9月

写真は2019/10/11志田原