アリグモの仲間
ハエトリグモの仲間には,体を昆虫のアリに似せて外敵から身を守ろうとするグループがあり,「アリグモ」と呼ばれています。瀬戸町にはこの仲間が数種類生息していることがわかったので,ここにまとめておきます。
ア リ グ モ
体長雌雄とも6〜8mm。 写真の個体は雄です。本種の雌だと思い込んでいた写真があったのですが,別種の可能性もあるということで削除しました。雌の方がアリとよく似ているんですが。 雄の体色は全体が黒く,ヤサアリグモと同じですが,「ヤサ」は名前通り全体が細くなります。 雌では頭胸部の側面に明瞭な白い線が入り,腹部の中央部にも白い帯が入ります。 北海道から南西諸島まで広く分布しています。 写真はいずれも2022/05/09小立, |
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体長雌4.7〜9mm,雄4〜6mm。 写真は雌ですが,タイリクアリグモの雌とよく似ています。ただ,こちらは腹部がやや細めです。名前の「ヤサ」はここから来ているのではないかと思います。また,腹部に白い帯がなく,全体につやがあります。 分布域は本州・四国・九州および南西諸島です。今回は我が家の庭の草の葉の上にいたのを見つけました。雄もいるはずなので,探したいと思います。 写真はいずれも2022/04/22高浦, |
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ヤサアリグモ
ヤガタアリグモ
体長雌5〜6mm,雄4〜5mm。 初めて見つけたアリグモの仲間です。雌(写真上)は昆虫のアリにそっくりです。「何か違う!」と思ってよく見ると足の数が8本,「クモだ!」と感激しました。 次のタイリクアリグモによく似ていますが,本種の方が少し細いです。また,本種には頭部と胸部の間に明瞭な白線があることで区別できるようです。 雄(写真下)は上顎が大きく,アリそっくりとはいきません。 ところで,アリに体を似せる(擬態といいます)ことで餌になるアリが近づいてくるのか,それともクモを餌にしている動物(鳥など?)がアリの毒をいやがって食べるのをやめることを期待しているのか私にはわかりません。 図鑑には,本州以南の人家の周辺や草地,河川敷などの草や木の上に見られるとありますが,写真上は我が家の外壁で,下は隣家の畑の作物上で確認したものです。意外に普通にいます。 写真は上・中2019/04/21, 下2018/10/26いずれも高浦 |
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